私は、今の子供たちに、“もっと遊ぼう!”ということをよく言います。何故なら、学校や塾で知識を真面目に取り入れ、さまざまな形で応用するような脳の鍛え方も、“基礎体力作り”という面においては大切ですが、社会に出てからというのは、身に付けた知識を活用するだけでは解決できないようなことが頻繁に出てくるからです。いや、そいったことに日々山のように出くわすのが世の中です。ならば、身に付けた知識で対処できないような問題を解決する能力は、どうすれば身につくのでしょうか。また、いつそのような力をつけていけばいいのでしょうか。答えは、日常の中です。特に人間関係の中で磨くことが最善の方法といえます。それも、子供の頃が最適な時期といえるでしょう。うまく遊ぶ子供というのは、工夫の仕方が半端ないぐらい優れています。これは、私の子供のころのことですが、センス抜群な1つ上のやんちゃな先輩がいました。(私もやんちゃでしたが。)例えば、野球なんかをしていても、集まっている子供が奇数だったら、どうすれば公平な形でみんなが楽しむことが出来るのかを数秒でパッと答えを出す。もめごとなんかが起こった時には、間に入ってパッとまとめ、みんなを納得させる。こういう過去に例がなく突如として起こることへの対処能力は、場数を踏んで、創意工夫を繰り返すなかで身に付き磨かれていくものです。一つの体験が自信になり、周りからの信頼を得ることで、それがその子供のタレントとなっていくのです。こういう経験値は学校や塾では積ませてもらえません。私はなにも大人になってからリーダーになれ!というわけではありません。ちょっとしたことの気づきを大切にしたり出会うものや人を素直に受け入れていく姿勢や細やかな感性を磨くことが大事で、このような日常の出会いを肥料とし自分を成長させていくことが、ひいては大人社会でも輝きを放ちながら生きることに繋がるのです。翻って、現在では、学校や塾での“基礎体力作り”は盛んに行われてますが、“遊び心を磨く環境”はどんどん減っていってます。環境がなければ、子供たちにそのような力を求めても所詮は無理な話です。だから、私は、塾に来ている生徒に対し、出来るだけ遊んでほしいし、遊びの中から自由な発想や想像力を磨き、社会に出てからこれまで身に付けたどの武器を用いても対処できないと感じたときにも、降参することなく立ち向かう強い人間に育っていってくれることを願ってやみません。
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