表題には、当たり前のことが書いてあると思われる方も多いでしょう。
しかし、考えながら勉強ができている生徒というのは意外にも少ないのです。
「提出しないとだめだからとりあえず期限までにはやらないと!」「教科書を書き写すのが宿題だから写すだけ写さないと!」
こんな意識で与えられたものを片付けるための学習しか出来てないと、自立した学びが出来るようにはならず、いつまでたっても成績も上がらないでしょう。
勉強しながら意識してほしいことは、とにかくいろいろと考えるということです。いろいろ考えることでどんどん集中力が上がっていきます。時間が経つのも忘れます。
例えばですが、中学生が英語の接続詞の学習をしていたとします。
そんなとき、ただ先生の話を聞いているのではなく、聞きながら、「ちょっと待てよ!接続詞ってそもそも何だったかな?」とか「接続詞には何があったかな?」とか、あるいは、「whenは接続詞の時は、~のときって使い方になるけど疑問詞ではいつ?っていうときに使うんだったな。」とか、関連することがらで自分の知っていることをいっぱい意識の中に出してくるようにするのです。そうしながら、先生の話を聴いていくことで初めて知る内容が宙に浮かず、これまで自分が知っている情報とつながるのです。
こういうやり方ができると、一度、学習したことが確実に忘れにくくなります。もちろん英語だけに限らずどの教科においてもいえます。
いろいろ考えるという作業は、勉強好きな生徒であったり成績が小さいころからずっといい生徒であれば出来ている確率は高いのですが、勉強がもともと嫌いだったり成績が良くない生徒は大半が出来ていません。
それでは、出来るようになるにはどうすればいいでしょうか。
いろいろ考えるというのは、教える側からしても教えにくい部分です。「いろいろ考えて勉強をしなさい!」と言ってもそれが出来てない生徒は何をどう考えてよいのかがわからないからです。
私は、いろいろ考えられるようになってもらうための手法として「投げかけ」ということをします。
生徒の学びのペースに合わせながらその時々に必要な振り(投げかけ)をタイミングよくしてあげるのです。
例に挙げた英語の接続詞の学習なら、「じゃあ、前回、接続詞って何と何と何を学習したんだっけ?」とか、「~のとき、…だった。っていう例文を日本語でいいから作ってみて!」といった具合に新しいことをインプットさせることばかりを考えるのではなく、もともと入っている生徒の頭の中の情報をアウトプットしていく手助けをしながら、今まである情報に上書きするようなやり方をしていくのです。
この、「投げかけ」をすることを私は非常に得意としています。生徒によってどんなことを投げかければ効果的なのか考え、それが上手くいくとどんどん生徒との距離感も縮まるのが分かるようになります。
ですから、家でお子さんの勉強を見てあげようという親御さんには、この「投げかけ!」という言葉を意識してきてください。お子さんが勉強したことを「よくやったね!」とただ褒めるのではなく、考えさせる振り(投げかけ)をうまくしてあげることだと思います。
まだ、学校にも通わないほどの小さなお子さんならお買い物に行ったときなどに「前に一緒に行って買ったおやつはなんだったっけ?」といったようなことも効果的な投げかけと言えます。とにかく、いろいろ考えさせることです。教材は至る所に散らばっています。
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